ケアプラス三津 作業療法士の宇都宮です。
夏の厳しい暑さも過ぎ去り、日ごとに朝夕と過ごしやすくなり秋の色が濃くなってきております。
実りの秋という言葉もありますが、日々のリハビリも実りのあるものになる様、三津のご利用者様も頑張っておられます。
さて、今回はそんな日々リハビリを頑張っておられる三津のご利用者様をご紹介したいと思います。以前は一人で近所のスーパー等に出かけておられましたが、だんだんと歩行が不安定となり、転倒への不安から外出の機会がなくなってしまっていました。
上の写真は2週間前の写真ですが左下肢の振出時、右上肢に荷重を乗せ背部の緊張を高め体幹の固定を利用しながら左下肢の拳上を行っておりました。腰背部の緊張は高く代償固定が強い為、骨盤の回旋は見られず右上下肢に頼った動作となっており左下肢の拳上に努力を要しておりました。そのため、左下肢の振出時に床に足先が引っかかる等、転倒するリスクがありました。
アプローチとして、脊柱のねじれをただし腹部の内圧を高め脊椎の分節的な動きを引き出す事により、体幹のコアスタビリティが発揮される様関わっていきました。また、同時に胸椎の可動性を引き出す為肩甲骨と胸郭の分離を促通する事や広背筋の緊張を緩め腰背部による固定を解除する事を目的とし肩関節の可動域訓練も行っていきました。
上の写真は現在のものですが、上部体幹の左回旋に対し骨盤の右回旋が行える様になり、上部体幹と下部体幹の分離運動が見られる様になっております。骨盤による運動方向の制御により下肢の連結が維持され、下肢の振出時に膝が外側に向いておりましたが、正中に近づき膝関節の伸展動作が見られるようになりました。また体幹による姿勢制御が改善され左下肢振出時に右下肢での一側立位が行える様になり、右側への体幹の傾きが改善されております。
以前はバランスが不安定で歩行時は足元を見ながら移動されていた為、ストループ歩行を行おうとすると立ち止まってしまいましたが、現在は歩行バランスが改善した事で徐々にストループ歩行も行える様になってきております。
最近では歩行が安定してきて、久しぶりに奥様と二人で近所のスーパーに出かけられたそうで「久しぶりに行ったら野菜が高くなっとってびっくりした。」と仰られておりました。まだ一人での屋外歩行には不安が残りますが、介助者がいれば外出出来ております。また、以前の様に一人で近所のスーパーまで出かける事が出来る様これからもケアプラス三津リハビリスタッフ一同支援致します。