実績報告
  • ケアプラス大洲 看護師便り ~尿漏れについて~ 大洲だより 看護師だより 2025年02月19日

    皆様こんにちは。ケアプラス大洲、看護師の坪田です。

    まさに冬本番ですが皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

    暖冬かと思っていた2025年は2月に入り雪の降る日が多く、まだまだ寒い日が続きます。

    体調には十分お気をつけてお過ごしくださいね。

     

    さて、突然ですが、寒い時期にはトイレが近くなると感じた事はありませんか?尿意を感じたもののいざトイレへ行こうとしても先約が居たり…そんな時に「間に合わないかも…。」と感じた経験はありませんか?

    そこで今回の看護ブログでは『尿漏れ』についてお話していきたいと思います。

    まず尿漏れは、尿失禁とも言います。漏れる量に関係なく、自分で排尿コントロールができない状態が尿漏れです。膀胱(ぼうこう)を支える周りの筋肉は30代をピークに年齢とともに衰えてきます。特に女性の場合は、出産時に膀胱周辺に大きな負荷がかかることもあり、40歳以上では4割以上が尿漏れを経験しているといわれます。

    尿漏れの原因には以下のようなものがあります。

    ・骨盤底筋群の緩み(加齢や出産を契機に出現することがある)

    ・過重労働や排便時の強いいきみ、喘息などによる骨盤底筋の痛み

    ・尿道の長さと形状

    ・妊娠・出産による骨盤の変化

    ・加齢や更年期による骨盤底筋の緩み

    ・前立腺肥大

    ・加齢による筋肉の衰え

    ・過活動膀胱

    ・内臓脂肪の増加による膀胱の圧迫

    ・糖尿病などの病気

    ・運動機能や認知機能の低下

    そのなかでも多いのが腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁となります。

    ■腹圧性尿失禁とは…くしゃみ・咳・大笑い・立ち上がるときなど、お腹に力が入ったら漏れてしまう状態をいいます。骨盤底筋の緩みで、胴体の一番底の部分に骨盤がありますが、この部分の筋肉・靭帯・筋膜を総称して骨盤底筋群と言います。これがあることで、臓器がずり落ちない・便や尿が漏れない・膀胱の位置を安定させることができます。骨盤底筋群が緩む5つの原因としてはエストロゲンの低下・妊娠・出産・肥満・便秘症があり日常生活に大きな影響を与えます。鍛える方法としては骨盤底筋体操があります。

    骨盤底筋体操・・・骨盤底筋群は外からは見えません。いわゆるインナーマッスルです。そのため鍛え方も地味ですが、効果は実証されています。基本は肛門や膣、尿道をゆっくり締めて→ゆっくり緩めるを繰り返します。

     

    *お腹に力が入らないように注意してください。

    これを毎日5分ほど繰り返します。この単純な動作だけでも筋力は鍛えられます。

     

    ■切迫性尿失禁とは…前触れなく強烈な尿意を感じてトイレに駆け込んだが間に合わず(ドアノブに触れた瞬間や下着を下している時などギリギリ間に合わない)失禁してしまう事をいいます。原因としては脳血管障害(脳梗塞・脳出血)・骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤)・過活動膀胱・尿意切迫感・頻尿・尿失禁(切迫性尿失禁)があります。この場合は薬物療法が中心になります。

    尿漏れはQOL(生活の質)を損なう疾患の代表的なものであり、直接生命に関わることは基本的にありませんが尿漏れをきたすと生活の質を大きく損ない、悩まされることになります。そのため、どのような原因で尿漏れをきたすのか正しく知り、対処法を理解する事で快適な生活を過ごせるようにしましょう。

    尿漏れが気になるな…と感じた方は、骨盤底筋体操ぜひトライしてみてくださいね!