実績報告
  • ケアプラス垣生 看護師便り~ノロウイルスについて~ 垣生だより 看護師だより 2022年02月25日

    皆さま、こんにちは。ケアプラス垣生、看護師の遠藤です。

    コロナウイルス、オミクロン株の感染力が強く依然として高い水準で感染拡大傾向が続く毎日ですが、現在の世の中には色々な感染を引き起こす細菌やウイルスが多々あります。

     

    今回は、この今の時期に注意しなければいけない感染性胃腸炎を引き起こすノロウイルスについてお話します。近年では食中毒の原因としても非常に大きい割合をしめています。

     

    ●ノロウィルスによる感染性胃腸炎・食中毒とはどのような病気なのか?

    年間の食中毒の感染者数の約半分はノロウィルスによるものなのですが、その内約7割は11月〜2月に発生しており、この時期の感染性胃腸炎の集団発生例の多くはノロウィルスによるものと考えられます。

    ノロウィルスは手指や食品などを介して、経口で感染、人の腸管で増殖し、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などを引き起こします。

    ノロウィルスは、感染力が強く、大規模な食中毒など集団発生を引き起こし易い為、注意が必要です。

    特に子供や高齢者は重篤化することがありますので特にご注意下さい。

    又、ノロウィルスにはワクチンがなく、治療は輸液などの対症療法に限られるので、予防対策を徹底しましょう。

    従って周りの方々と一緒にご家庭などで出来る予防対策、3つのポイントを徹底しましょう。

     

     

    ●ノロウイルスはどのような場所に感染するのでしょうか?

    感染経路には、主に人からの感染と、食品からの感染があります。

    ・人からの感染

    患者様の便や嘔吐物から人の手などを介して二次感染する場合、家族や施設内などでの飛沫などにより感染する場合など

    ・食品からの感染

    感染した人が調理などをして汚染された食品を食べた場合、ウイルスの蓄積した、加熱不十分な二枚貝などを食べた場合など

     

    過去のノロウイルス食中毒での事例では、約7割で原因食品が特定出来ていませんが、ウイルスに感染した食品取扱者を介して食品が汚染された事が原因となっているケースも多いと考えられています。なお、食品が特定されている中で多い原因としては、ノロウイルスに汚染された二枚貝があります。ノロウイルスに汚染された二枚貝を、生や加熱不足のまま食べることで食中毒が発生しています。

     

     

    ●感染した場合にはどのような症状になりますか?

    感染した場合、約24~48時間で吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、微熱などの症状が出てきます。

    通常、これらの症状が1~2日間続いた後に治療し、後遺症もありません。又、健康で体力がある方は、感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。

    ただし、子供や高齢者などでは重症化することがありますので、特に十分に注意が必要です。

     

    ●ノロウイルスの予防

    ノロウイルスについてはワクチンがなく、治療は輸液などの対症療法に限られます。従って、皆様の周りの方々と一緒に、ご家庭などで出来る予防対策、3つのポイントを徹底しましょう。

    1 手洗いをしっかりと行う

    特に食事前、トイレの後、調理前後は、石鹸でよく洗い、流水で十分に流しましょう。

    ※消毒用エタノールによる手指消毒は、石鹸と流水を用いた手洗いの代用にはなりませんが、直ぐに石鹸による手洗いが出来ないような場合、あくまで一般的な感染症対策の観点から手洗いの補助として用いて下さい。

     

     

    2 人から感染を防ぐ

    家庭内や集団で生活している施設でノロウイルスが発生した場合、感染した人の便や嘔吐物からの二次感染や、飛沫感染を予防する必要性があります。ノロウイルスが流行する冬期は、乳幼児や高齢者の下痢便や嘔吐物に大量のノロウイルスが含まれている事がありますので、オムツなどの取り扱いには十分に注意が必要です。

    3 食品からの感染を防ぐ

    加熱して食べる食材は中心部までしっかりと火を通しましょう。

    二枚貝などなノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合、ウイルスを失活させるには、中心部が85℃~90℃で90秒間以上の加熱が必要とされています。

    調理器具や調理台は消毒していつも清潔に。

    まな板、包丁、食器、ふきんなどは使用後すぐに洗いましょう。熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱消毒が有効です。

     

    ●ノロウィルスに感染してしまったら?

     

     

    現在、このウィルスに効果のある抗ウィルス剤はありません。

    その為、通常、対症療法が行われます。

    特に体力の弱い乳幼児、高齢者は脱水症状を起こしやすく体力を消耗したりしないように水分と栄養の補給を充分に行いましょう。

    脱水症状が酷い場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要となります。

    止しゃ薬(いわゆる下痢止めの薬)は、病気の回復を遅らせる事ごあるので使用しない事が望ましいでしょう。

    感染が疑われる場合は、最寄りの保健所やかかりつけの医師にご相談下さい。

    又、保育園、学校や高齢者の施設等で発生した時は、早く診断を確定し、適切な対症療法を行うとともに、感染経路を調べ、感染拡大を防ぐことが重要ですので、速やかに最寄りの保健所にご相談下さい。

    日々の生活で感染症を引き起こしてしまわないように、日ごろから注意していくことが大切です。コロナウイルスが今なお感染がなかなか治まらない状況ですが、自分自身を守る為にも注意していきましょう。