実績報告
  • ケアプラス三津 看護師便り~寒い季節が来ましたね~ 三津だより 看護師だより 2019年11月18日

    皆様こんにちは。

    この頃、さらに気温差を感じるようになりましたが体調管理に余念なく過ごされてますか?

    先日、海に行くと風が強かったもので寒くて寒くて。子供の頃の毎日の遊び場が海だったせいか、気分はすごく癒されるんですけど・・歳ですね^^;

    今回は、気温差と言えば「『ヒートショック』に注意!」ということで、ブログを投稿させていただきます。

    以下、参考になさって下さい。

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    暖まった部屋を出てトイレに行こうとした時、室温差に思わず震えてしまうことがあったりしませんか?この気温差が、高齢者に『ヒートショック』を引き起こす原因にもなります。

    ※『ヒートショック』とは、屋内での急激な温度差によって血圧が大きく変動し、それによって失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす等、身体へ悪影響を及ぼすことです。

    消費者庁の資料によると、『ヒートショック』が原因での事故は高齢者(65 歳以上)が約9割を占めているそうです。特に 75 歳以上の年齢層で、10年前よりも大きく増加しています。事故の内容としては、入浴中の『ヒートショック』によって意識障害により浴槽に倒れ、沈み込んでの事故、というパターンが多いといわれています。

    ヒートショックが起こるしくみ

    『ヒートショック』は、おもに家の中の温度差により起こる症状です。暖房をつけている暖かい部屋と、暖房をつけていない浴室やトイレの温度差は、10℃を超えているそうです(家の中でかなり差がありますね)。暖かい所から寒い所に移動すると、体は気温の急激な変化から体温を調節するためにブルブルと筋肉を震わせます(これは熱を作り出す為)。同時に血管を細くして、皮膚の下に流れる血液の量を減らし、体の熱を外に逃がさないように調節します。血管が縮むと、血液が流れにくくなるので、血圧は急上昇します。しかし、浴槽の温かい湯につかることで、血管は拡張し、急上昇した血圧が、今度は急激に低下してしまうのです。そして、浴槽から出て体を洗ったり、寒い脱衣所に移動するなど、これら一連の入浴行動の中で血圧は急激に大きく変動します。健康な若い人なら、血圧の急上昇や急下降にも耐えられるかもしれませんが、高血圧や糖尿病、脂質異常症など動脈硬化が進行した高齢者では、血圧の上昇による心筋梗塞、致命的な不整脈、脳梗塞や脳出血などを引き起こしやすくなっています。反対に、血圧が低下することでめまいやふらつきが起き、または意識を失って、転倒や事故という結果を引き起こすこともあるのです。

    それでは、家の中でも『ヒートショック』を起こしやすい入浴、そしてトイレについてどのような対策ができるか、調べてみましたので以下に挙げておきます。

    入浴についての注意点

    ★入浴前と入浴後に水分を補給する

    入浴すると汗をかき、体内の水分が減って、血液がドロドロになります。その状態では血栓ができやすく血圧が上がると脳梗塞や心筋梗塞になりやすいため、入浴前と後で水を飲むことで、血圧や血流の変動による脳疾患などを引き起こさない状態を作っておきましょう。

    ★食後1時間以上空けてから入浴する

    食後は消化器官に血液が集まり、血圧はやや低くなっています。そこに入浴をするなど血圧を上げる行動をすると、血管内の変動がより大きくなり、ヒートショックを引き起こしやすくなります。

    ★お酒を飲むなら入浴後に

    飲酒すると、血管が拡張し血圧低下を起こしたり、体の反応も低下して転倒しやすくなります。危険性が高まるので、飲酒後の入浴は避けたいものです。人の体温が一番安定する時間帯は16~19時といわれており、この時間帯に入浴が推奨されています。ご高齢でお酒が飲みたい方は、夕方入浴して、その後晩酌にしてはいかがでしょうか。

    ★部屋間の温度差をなくす

    脱衣所や浴室に暖房器具を設置するなどして暖かくしておくことが最も重要です。浴室内に暖房器具がなくても、浴槽にお湯を溜めるときにシャワーを使って高い位置から浴槽に注いだり、お湯を張った浴槽のフタを開けておくなどすれば、浴室内は暖まります。また、1番風呂は避けて2番目以降に続けて入ることにより浴室内が暖まっているときに入浴することができます。

    ★ゆっくり温まる

    入浴時にはいきなり浴槽に入らず、心臓に遠い手や足からかけ湯をするなど、お湯の温度に体を十分に慣らしてから浴槽に入るようにすることで、急激な血圧の変化を防げます。

    ★浴槽の湯温を低めにする

    浴槽の湯温が高いと心臓に負担がかかります。38℃~40℃程度のぬるめのお湯から入り、熱いお湯を足して徐々に温めるようにしましょう。

    ★長湯をしない

    長湯をすると、心臓に負担がかかり、疲労感が増し、転倒しやすくなります。また、血圧が下がりすぎてしまい、入浴後に血圧が急上昇すると、そのショックで症状が発生しやすくなります。

    ★浴槽から急に立ち上がらない

    浴槽から出るとき、急に立ち上がると血圧は急激に下がります。立ちくらみを起こし、転倒のリスクが高まります。

    ★浴室に手すりをつける

    手すりがあれば、万一めまいが起きても、倒れる途中でつかむことができ、転倒を防げます。

    ★他の人が声かけする

    入浴中にヒートショックが起きても、他の人がすぐ発見して処置をすれば、重篤な状態にまでは至らないことが多くあります。実際、公衆浴場では事例が少ないのです。家族やヘルパーなどが入浴時に声がけをし、安否確認をすることも大切です。

    トイレでの注意点

    ★寝室はトイレの近くにする

    高齢者は夜間頻繁にトイレに行くことが多くあります。寒い廊下を経てトイレに行くだけでも、心臓に負担がかかります。可能であれば、寝室はトイレに近い部屋に設定しましょう。

    ★トイレに暖房器具を置く

    浴室や脱衣室と同様、トイレも小さな個室であり、寒い空間であるのが通常です。現在は、人感センサー付き電気温風器や、ヒーター一体型の天井照明など、場所を取らない暖房器具も販売されています。それらを活用して、トイレに暖房設備を設置しましょう。

    ★いきみすぎない

    排便の際にいきみすぎると心臓への負担が高くなります。また、排便後は急激に血圧が下がり、血圧の乱高下が激しくなります。普段からの便秘対策も重要です。

     

    いつものことだから・・・私は大丈夫、などと考えずに、先ずはご自身、そしてご家族が『ヒートショック』を理解して対策をして頂ければと思います。『ヒートショック』に対する認識があるのとないのでは、危険性は大きく異なりますので、安全・安心のためにも寒い時期の入浴、トイレには気を付けて過ごして下さいね。

     

    それではまた次回も宜しくお願い致します。