実績報告
  • ケアプラス北宇和島 ~看護師便り~ 『脱水症に注意』 北宇和島だより 看護師だより 2020年05月30日

    みなさま、こんにちは。

    5月に入って以降、例年になく暑い日が続いています。

    初夏にふさわしい季節となりました。暑いと当然人は汗をかきます…、そこで考えられるのが脱水です。

    今回のブログでは自らが気を付ける脱水症ではなく、周りの方のサポートによる脱水症の注意点を紹介いたします。

    体内の水分量が不足したときに起こる「脱水症」は、食事や水分の摂取量が減りがちな高齢者が気をつけたい症状の一つです。

    本人も周囲も気づかないまま脱水状態に陥ることを「かくれ脱水」といい、この段階で正しい処置を施すことが必要です。

     

    まずは脱水症のサインです。こんな症状が現れたら注意してください。

    ●軽度

    唇がカサカサしていたり、口の中が乾燥していたりする場合は、脱水症を疑う必要があります。

    また、通常であれば汗で湿っているはずの脇の下が乾いた状態になっているときも要注意。

    手の甲の皮膚をつまんだ後にすぐ戻らない場合や、爪を押してから色がすぐに戻らないときも、乾燥しているサインです。

    脱水症のサインは行動にも表れます。ボーッとしたり、「傾眠傾向」といわれるうとうとしている状態が頻繁に見られたりするようであれば、脱水症を起こしている可能性があります。

    そのほか、めまいやふらつきなどの症状が出ていたり、手足の末端が冷たくなっていたりするときも、

    血流が悪くなっている証拠なので、注意深く観察してください。

    ●中度
    軽度の状態から症状が悪化すると、頭痛や吐き気などを訴えるようになります。

    また、体の水分量が不足し、汗や排尿の量が減るため、トイレの回数をチェックしてください。

    さらに、体から水分が抜けたことによって体重が減少したり、嘔吐や下痢など、明らかな体調異常が見られたりすることもあります。

    ●重度

    症状がさらに進むと、話しかけても反応がなくなり、意識がもうろうとしたような状態になる場合があります。

    ひどいときは、意識を失ったり、体の痙攣が起こったりします。

     

    次に、脱水症の症状が見られたときの応急処置について紹介いたします。

    ●軽度の場合

    脱水症を起こしている人には、十分な水分と、体の機能調節に必要不可欠なミネラル「電解質」を補う必要があります。

    両方を効率的に摂取するには、「経口補水液」を飲むのが良いでしょう。

    経口補水液とは、水に食塩とブドウ糖を溶かしたもので、水分と電解質の吸収を助けてくれます。

    経口補水液がない場合は、自宅で作ることもできます。

    水1ℓに対して食塩3g、砂糖20~40gを溶かせば完成です。少量のレモン果汁を入れると、飲みやすくなります。

    脱水症の症状が現れてから4時間以内に、経口補水液を、体重1kgあたり30~50㎖飲ませましょう。

    医師から塩分摂取についての指示がある場合は、飲ませる前に相談してください。

    経口補水液ではなく普通の水で対応するなら、1日に約2ℓの水分を目安に飲ませてください。

     

    ●中度の場合

    脱水症の症状が現れてから4時間以内に、経口補水液を、体重1kgあたり100㎖飲ませます。

    下痢がある場合は、1回排泄するごとに、体重1kgあたり10㎖を飲ませましょう。

    嘔吐が見られる場合は、1回嘔吐するごとに、吐いた量と同じ程度の経口補水液を飲ませる必要があります。

    症状が落ち着いてきたら、軽度のときと同じように対処します。

     

    ●重度の場合

    意識障害や体の痙攣が見られる場合は、口からの水分摂取では間に合わない可能性があります。

    自己判断で対応を行うと、命の危険もありますので、点滴などの医療処置を受けるため、すみやかに病院で医師の診断を仰ぎましょう。

    普段からできる脱水症の予防法を周囲の方は意識しましょう。

    高齢者本人だけでなく、周囲の人が気にして水分補給を促すようにすると、脱水症を未然に防ぐことができます。

     

    ●1日に必要な水分量を知っておく

    一般的に高齢者の1日に必要な水分摂取量は、体重1kgあたり約40㎖といわれています。

    体重50kgの人の場合は、約2リットルです。

    この数値には食事の際に食べ物から摂取する水分量も含まれており、食事の際に食べ物から摂取する水分量は大体1ℓくらいなので、

    食事以外に約1~1.5ℓの水分を摂取するのが目安です。

    高齢者本人が意識するだけでなく、周囲の人が把握しておき、必要な水分をしっかり摂取できているかチェックしてあげることが重要です。

    ●部屋の湿度や温度を調節す

    室内環境を整えることで、体の水分量が保たれます。乾燥しているようであれば、加湿器を使ったり、濡れタオルを干したりして、室内の湿度を上げましょう。
    暑い夏場などは、多量に汗をかいて体の水分量が減ってしまうことがあります。

    特に、高齢者の中には、「電気代がもったいないから」と節電をする人がいますが、夜寝ている間に脱水症になる可能性もあります。

    無理に節電せず、室内の温度を適温に保つよう心がけてください。

     

    ●定期的に水分補給をする

    あまり間をあけ過ぎないように注意しながら、定期的に水分補給をするよう促しましょう。

    本人にのどが渇いている自覚がない場合もあるので、そのときは周囲からの声がけが必要です。

    小まめにチェックするのが難しい場合は、時間を決めて水分を摂取してもらうようにすると、忘れる心配がありません。

    起床時・食事前・入浴後・運動後・飲酒後などは、特に水分補給が必要なときです。積極的に摂取させましょう。

     

    ●好みの飲み物で水分補給してもらう

    「はい、飲んで」と水のペットボトルを渡すだけでは、本人は飲みたくないこともあるでしょう。

    好きな飲み物を把握して準備しておくなど、高齢者が自発的に飲むような工夫が大切です。

    ●フルーツやゼリーなどで水分補給をする

    水分を補給できるのは、飲み物だけではありません。

    水分を多く含むフルーツ、ゼリーや水ようかんなどの水分を凝固させたものからも水分を摂取することが可能です。

    「水を飲まなきゃ」と高齢者本人が意識しなくてもおいしく食べられるため、自然と水分を摂取しやすくなります。

    本人の好みや体調に合わせて、提供してみてください。

     

    高齢者の脱水症を防ぐには、周囲のサポートが不可欠

    脱水症を予防するには、体に必要な水分を定期的に摂取する必要があります。

    しかし、筋力が衰えてトイレまでの移動が億劫になったり、失禁の経験があったりすると、

    トイレに行く回数を減らそうと自分で水分の摂取を控えてしまう人がいます。

    なかなか自発的に水分補給をしない場合もあるため、水分が多い食事メニューにしたり、

    デザートにみずみずしいフルーツを出したりするなど、本人が進んで水分を摂取したくなるような工夫をしてみましょう。

    すぐに手が届く場所にいつも飲み物のペットボトルを準備しておくのもおすすめです。

    自分でのどの渇きや体の不調に気づきにくい高齢者の脱水症を防ぐには、周囲のサポートが必要不可欠です。

    家族や介護職員の人は積極的に気遣ってあげるようにしましょう。