実績報告
  • ケアプラス垣生 看護師便り~認知症からのユマニチュード~ 垣生だより 看護師だより 2020年05月08日

    みなさま、こんにちは。ケアプラス垣生 看護師です。

    今まで当たり前のように自由に行動出来ていた事が、当たり前に出来ない自粛した生活。毎日のように報道される、感染者と死者の数。生きるということを改めて大変だと感じ、家族や自分の周囲の人を改めて大事に感じる日々です。でも一人一人が感染しないように気を付けないと、多くの人に迷惑をかけてしまうという事だけは自覚しないといけませんね。

    そんな世の中ですが、皆さまの体調は大丈夫ですか?

    垣生でもコロナの情報話はつきませんが、会話中に利用者さんが「あれ?私、今、何を言おうとしたんやろか?」「もぅボケとる…」など明るく笑って話されています。

    そこで…今回は、その認知症のことを簡単にお話しますね。

    認知症とは、何らかの病気によって脳の神経細胞が傷つき死滅するために、〈記憶障害〉などの症状が現れて日常生活に支障を来す状態のことです。

    加齢による物忘れと、認知症による記憶障害には違いがあります。
    ★加齢による物忘れ

    【食事をした事は覚えているが、何を食べたかを思い出せない】

    ◎一部を忘れ、時間や場所などは問題なくわかる。

    ◎日常生活に支障はほとんどない。

    ★認知症による記憶障害

    【食事をした事自体を覚えておらず、忘れているという自覚もない】

    ◎最近の出来事から忘れてしまうため、同じことを周囲の人に何度も繰り返し聞いてしまう。

    ◎日常生活にも支障を来す。

    認知症の原因となる病気はさまざまですが、原因によっては認知症のタイプも異なります。

    代表的な認知症タイプでは…

    • アルツハイマ―型認知症

    最も多いタイプの認知症。脳にたんぱく質ができた老廃物がたまり、神経細胞が死滅して脳が萎縮する。記憶障害や、生活動作の障害などか現れる。また、記憶があいまいな時には、ご本人は取り繕ってごまかそうとすることもある。

    • 血管性認知症

    脳梗塞や脳血管など、脳卒中が原因で起こる。活気がなかったり、歩くけど食べるなどの動作が緩慢になる。糖尿病や高血圧などの生活習慣病や肥満、心臓病などがあると、脳卒中を発症しやすく、血管性認知症を起こし危険性が高くなる。

    • レビ―小体認知症

    異常なたんぱく質の塊が、脳の神経細胞を壊すことで起こる。実際にはないものが見える。「幻視」や睡眠中に大声を出したりする。

    • 前頭側頭型認知症

    脳の前頭葉や側頭葉の神経細胞が死滅するために起こる。社会に適応するために本能を抑制する部位が障害されるため、交通違犯や万引きなどを繰り返すことがある。

    そんな認知症の介護として、介護を受ける人を大切に思う気持ちを届ける《ユマニチュード》が注目されています。

    【見る】【話す】【触れる】【立つ】という4つの柱で、認知症のある人の暴言、暴力、妄想などの「行動・心理症状」が減り、介護をする家族の負担感が軽減したという研究報告もあります。

    【見る】…相手の目を正面から視野の中心に入り、近くから同じ高さで、ながく目を合わせる。

    【話す】…いつもの3倍多く話しかける。介護の動作を言葉にして伝える。

    【触れる】…広い面積でしっかり。つかむのではなく、支える。

    【立つ】…1日にごうけい20分間立つことができれば、寝たきりを防ぐことに繋がる。

    但し、(立つ)には注意すべき事が多くあり危険も伴うので、事前に医師に相談してから。

     

    介護とひと言で言っても、とても大変な事です。私も実父と義父、2人共病院嫌いだったので自宅で最後の呼吸が止まるまで介護をしていました。どちらの父も認知症はなかったのですが、(大切に思っています)の優しさが伝わった介護《ユマニチュード》だったかな?と思いは尽きません。

     

    それでは今回は この辺で…次回も よろしくお願いします。