実績報告
  • ケアプラス北宇和島 看護師便り ~お腹すっきり便秘解消法~ 北宇和島だより 看護師だより 2019年09月21日

    みなさまこんにちは!ケアプラス北宇和島、看護師の山本です。

    ひところの暑さも和らぎ朝晩、肌寒く感じることもある今日、この頃ですが体調はお変わりありませんか?

    さて、今回は悩まされている方も多いかと思いますが便秘について少しお話をさせてもらったらと思います。

     

    若い女性に多いイメージのある便秘ですが、実は老化の症状の一つとしてもあげられ、歳を重ねるごとに便秘になりやすくなります。

     

    今回は高齢者の便秘の原因と対処法についてのお話です。

    高齢者の便秘の原因を知って、便秘解消を目指しましょう!便秘解消に効果の高い食べ物もご紹介します。

     

    高齢者に便秘が多くなる原因は?

     

    「便秘」の明確な定義はありませんが、一般的には3~4日便が出ていない状態を便秘ということが多いようです。

    しかし毎日排便があっても、便が固くて排便に苦労する、排便後もすっきりしないなどの不快な症状があれば便秘であると言えます。

     

    厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、便秘の症状を自覚している人は男性1000人あたり24.5人、女性1000人あたり45.7人となっています。
    70代以降は男性の便秘自覚者も増え、80歳以上では男女とも実に10%以上の人が便秘を自覚しています。

     

    年齢が上がるにつれて、便秘に悩む人が増えてくるということですね。

     

    高齢者の便秘の原因には主に下記の5つが考えられます。

    ■大腸の働きや周辺の筋力低下

    加齢により、大腸の働きや排便時に必要な腹筋などの筋力が弱まり、大腸の中で便を送り出す動き「蠕動運動(ぜんどううんどう)」が弱まってしまうことで便秘になってしまいます。

    ■食事量が少ない

    高齢になると少食になる方が多いですが、食べる量が少ないと必然的に作られる便の量も少なくなってしまいます。

    作られる便が少ないということは大腸の活動量も減るということ。

    使われない大腸の機能は衰えてしまい、便を押し出す力も弱まってしまいます。

    ■水分摂取量が少ない

    頻尿や夜間のトイレを気にして水分を控えてしまう高齢者の方は多いですが、水分が足りていないことも便秘の原因のひとつです。

    便はスムーズに腸の中を進むために、全体の7~8割が水分から作られています。

    水分摂取量が少ないと便中の水分量が減少するため、カチカチの固い便になってしまいます。

    固い便は腸の中を進みづらいため、便秘を悪化させる原因になります。

    ■便意を感じにくくなる

    高齢者は身体機能や神経伝達が衰えてくるため、便意を感じにくく排便のタイミングを逃してしまいやすくなります。

    特に移動やトイレに介助が必要な方は、周りの方に迷惑をかけたくないと我慢してしまう傾向もあります。

    ■服用中の薬の副作用

    薬の副作用として便秘の症状が現れることも。

    抗生物質や抗うつ剤などは副作用で便秘を引き起こす場合があります。

     

    便秘が続くとお腹が張り、食欲低下や腸のバリア機能の低下によって炎症や感染症などのリスクが上がってしまいます。

    便秘が悩みになってしまったり、不快でイライラしたりと精神的にも影響を与えてしまうこともあります。

     

     

    高齢者の便秘の原因から考える予防策と解消法

     

    健康で快適な生活のためにも、スッキリ便秘解消を目指したいですよね。

    上記の原因を踏まえて、日常の中でできる便秘の予防や解消のための対策をご紹介します。

    腸の働きを活発にするため冷水で手洗いを!

    一日に数回、気付いたときに冷水で手洗いを行なってみてください。

    腸の働きを活発にする副交感神経を、冷水によって刺激することができます。

    副交感神経を活性化することが腸の動きを良くすることにつながり、便秘の予防にもなります。

    バランスの良い食生活を!

    栄養バランス良く、しっかりと食事をとることを心がけましょう。

    食物繊維が豊富な食材は便秘の予防につながります。

    高齢者はたんぱく質や脂質が不足しがちなので、肉や魚も意識して食べたいものです。

    良く噛んで食べるようにしましょう。

    「起床時にコップ一杯の水を飲む」を習慣に!

    一日に摂取が必要な水分量は体重のおよそ1/30と言われています。

    体重60kgの方の場合約2リットルで、食事から摂取される量を除いても飲料として1.5リットル程度の摂取が必要です。

     

    まずは「起床時にコップ1杯の水を飲む」ことを習慣化してみましょう。

    冷たい水を飲むことで、水分補給と同時に大腸の動きを活発にすることができます。

    1日の中でタイミングを決めて、定期的に水を飲むように心がけましょう。

    時間を決めてトイレに行き排便のリズムを作る!

    便意を感じたら我慢をせずにトイレに行くようにするのはもちろん、時間を決めてトイレに行き、排便のリズムを作るようにしましょう。

    規則正しい生活リズムと生活習慣は腸内環境を改善します!

    高齢者におすすめの便秘解消に効果のある食べ物は?

     

    便秘解消に効果のある食べ物といえば乳製品や食物繊維の豊富な野菜などがあげられますが、その中でも特に高い効果を期待できる高齢者にオススメの食べ物をご紹介します!

    ヨーグルト

    「腸内フローラ」を育てて腸内環境を整えると言われるヨーグルト。

    腸内フローラが乱れると便秘はもちろん、免疫力が下がり病気の元に。

    食物繊維が多く含まれるキウイやバナナと合わせて食べるとさらに効果も高いです!

    寒天

    寒天には、腸の善玉菌を増やして腸内環境を整える「水溶性食物繊維」と、腸の動きを活発にして便の量を増やす「不溶性食物繊維」の2種類の食物繊維が多く含まれ、便秘解消に効果大です!

     

    細い棒状になっている糸寒天なら、スープやお味噌汁に具として直接入れるだけで簡単に食物繊維を摂取することができます。

    寒天にしっかりと水分を含ませるのがポイントです。

    えごま油

    えごま油は血行を良くし、腸の働きを活発にして便秘を解消すると言われています。

    ティ―スプーン1杯ほどを寝る前に飲むのが効果的です。

    えごま油はクセや匂いがほとんどないのでスプーンで直接飲むこともできると思いますが、飽きてしまった方はサラダなどにかけて食べるのもおすすめ。

    加熱すると効果が下がってしまうので注意しましょう。

    黒酢

    黒酢に含まれる有機酸が消化促進と腸への刺激に効果あり!便秘改善につながります。

    サラダや酢の物などで摂取するとよいでしょう。

    ただし、黒酢は人によって体質に合わないこともあるようです。

    まずは少しずつ試してみましょう。

     

    まとめ

     

    ・高齢者は腸や筋肉の動きが衰えることや、 食事や水分の摂取量が減ることによって便秘がちになってしまいます。便秘が長く続くとお腹が張って不快・イライラするのはもちろん、免疫力が低下して炎症や感染症のリスクも高まってしまいます。

     

    ・高齢者の便秘の予防や解消には規則正しい生活や、栄養バランスのとれた食事をしっかり食べる、こまめに水分補給をすることなどが大切です。腸の動きを活発にする「冷水手洗い」や「起床時にコップ一杯の水を飲む」を試してみましょう!

     

    ・便秘解消には乳製品や食物繊維が豊富な食べ物が効果的です。毎日の食事や習慣に上手に取り入れて、便秘予防・解消を目指しましょう!

     

    それではみなさま、次回も宜しくお願いします。