梅雨明けはまだですが、残暑厳しい今日この頃皆様いかがお過ごしでしょうか?ケアプラス北宇和島 作業療法士 松下です。
今回は、以前ブログで少しお話させていただいた「マルチタスクトレーニング」に関して6/19にTVで放送されたマルチタスクが脳に及ぼす影響で誤解をされた方がいましたので再びマルチタスクトレーニングに関して、色々とお話をさせていただこうと思います。
まず、マルチタスクとは何か?という事ですが日本語に直訳致しますと「複合課題・多重課題」という意味があります。
日本語を聞いただけでは、なんのことやら??
と思う方もいらっしゃると思いますが私たちが、日々生活する上で無意識に行っている事と関連付けると理解しやすいです。
例えば、
1 料理中に、野菜を切りながら次の工程を考える。
2 散歩をしながら、周りの景色を眺めたり周囲の車などに注意を向ける。
など、「~しながら」と言える事はすべてマルチタスクという事ができます。
そこで、なぜ現在マルチタスクという言葉がピックアップされているのかと言いますと、高齢者の転倒予防に対して、さまざまな筋力トレーニングやバランス訓練など効果的と言われるアプローチがなされてきましたが、根本的な転倒予防に繋がっていないと考えられるようになり、そこで「マルチタスクトレーニング」という新しい訓練方法が提唱されるようになってきました。
私たちが、生活していく上で「~しながら」する事が多く、高齢になるにつれて無意識に行えていた事が行いにくくなる事でさまざまな支障が出てきてしまいます。
1 歩行時に足がひっかかったり・つまずく事が増えた。
2 TVを集中してみていると、声かけに対して聞こえない時がある。
など、ただ筋力・聴力低下だけではなくマルチタスクに対して注意の分散が行えない事が原因の1つの可能性もあります。
今回は、転倒予防に関してマルチタスクがもたらす効果について話を進めていこうと思います。
私達ケアプラスでは、転倒予防に関して下肢の筋力訓練・スリングロープを使用しての体幹バランス訓練などさまざまな訓練を提供しています。ご利用者様も熱心に取り組まれていますが、これだけでは不十分なのです。
ご利用者様がデイに来てセラピストに見られながら歩行訓練をし、「今日もしっかり歩く事ができた!よかった。」…では、自宅で生活している時はどうでしょうか?
何も考えずに「しっかりと歩こう!」などと考えながら歩く人はほぼいないと思います。
「洗濯物取り込まなくちゃ」とか「トイレにいきたいなぁ」、「今晩の献立はどうしようか」など何か考えながら歩かれている人がほとんどだと思います。
色々考えながら歩いていると、いつもは引っかかる事のない敷居に躓いたり・バランスを崩して転倒なんて事も・・・。
そこで「マルチタスクトレーニング」を行う事により、デイサービスで行った筋力訓練やバランス訓練・歩行訓練にて改善された歩容を実生活でも近づけていく事ができるというわけです。「できる歩行を実際に生活で行っている歩行に!」これは、筋力・バランス訓練だけでは到底実現できない事です。
6/19日のTV放映でマルチタスクは脳へのストレスが強く、悪影響と言われていましたが、TVで言われていたマルチタスクとマルチタスクトレーニングは別物と考えていただいて構いません。
ケアプラスが推奨しているマルチタスクトレーニングは脳への負荷量の調整した訓練であり、行う事で認知予防・転倒予防に繋がる画期的な訓練です。
ケアプラスでは、ご利用者様達と毎日マルチタスクトレーニングに励んでおります。
気になった方は、ブログでも事業所別の取組みを見る事ができますので、ぜひ検索してみてください。