実績報告
  • ケアプラス道後持田 看護師便り ~「見えない障害」と向き合うために~ 道後持田だより 看護師だより 2026年05月03日

    GW真っ只中、皆さん新年度のバタバタ期間も過ぎて少し平常運転に戻りつつあるところでしょうか。少し疲れも出やすくなる時期ですので、心身共にリフレッシュを図りながら過ごしていきましょう。

     

    今回は「高次機能障害」についてお話をしようと思います。

    聞いたことはあるけれど、いまひとつどんな病気なのか分からない方もいらっしゃるかと思います。病気や事故の後に、「今までと何かが違う」と感じることがあり、その違和感の正体のひとつが、高次機能障害です。

     

    高次機能障害とは、脳のダメージによって「記憶する」「考える」「判断する」「行動する」といった働きに影響が出る状態を指します。手足の麻痺のように目に見える障害ではないため、周囲から理解されにくいことが大きな特徴です。

     

    例えば、こんな様子が見られることがあります。

    ・ぼんやりしてミスが増えた

    ・同じことを何度も聞くようになった

    ・物事の段取りがうまくできない

    ・急に怒りっぽくなった、対人関係が変わった

    …これらの「性格が変わった」「やる気がない」のではなく、脳の機能の変化によって起きている可能性があります。

     

    特にご家族にとっては、「どうしてできないの?」「前はできていたのに」という戸惑いやストレスを感じる場面も多いと思います。

    しかし、その背景にあるのは本人の努力不足ではなく‘脳の障害‘です。

    だからこそ大切なのは、「できないことを責める」のではなく、「どうすればできるか」を一緒に考える視点です。

    例えば、

    ・伝える時は短く、具体的にする

    ・一度に多くのことを頼まない

    ・メモや環境を活用して忘れにくくする

    …といった工夫で、日常生活は大きく安定することがあります。

     

    また、この障害は適切なリハビリや支援によって改善や適応が期待できる分野でもあります。一人で抱え込まず、医療機関や支援機関に相談することも重要です。

     

    高次機能障害は「見えない障害」です。

    だからこそ、周囲の理解が何よりの支えになります。

    「なぜできないのか」ではなく、「どうすればその人らしく過ごせるか」・・・この視点を持つことが、ご本人にとってもご家族にとってもよりよい日常への第一歩になるのだと思います。