実績報告
  • ケアプラス道後持田 看護師便り~皮膚トラブルについて~ 道後持田だより 看護師だより 2023年03月15日

    三寒四温の季節柄、まだ肌寒い日が続きますが皆さま如何お過ごしでしようか?

    梅の花が咲いてたり菜の花を目にするともう直ぐ春が近づいているのを感じます。暖かくなるのは嬉しい事ですが、季節の変わり目は体調を崩しやすくなる時期ですのでお気をつけて下さいね。

    今回は皮膚の乾燥のお話です。

    皮膚のいちばん外側にある角層は、皮脂の膜で守られているだけで水分が外に放出されるのを防いでいます。加齢によって皮脂の量が減るとバリア機能が損なわれ、乾燥を引き起こしてしまいます。乾燥が進んでしまうと皮膚表面がかさついたり、白い粉をふいたりひび割れを起こして痒みや痛みを起こしてしまいます。

    表皮には水分を蓄える機能があります。その役割を果たしているのが「角質細胞間脂質」と「天然保湿因子」です。角質細胞間脂質は細胞どうしを引っ付けて水分を蓄える機能、水分子と結合している天然保湿因子は保湿機能があります。これらは加齢によって減少していく為、角質の水分量はどんどん低下してしまいます。

    ☆皮膚が乾燥する要因

    皮膚が乾燥する原因として、加齢による他にも気候や冷暖房による空気の乾燥などもあげられます。特に冬の乾燥には注意が必要です。皮膚の乾燥だけではなく呼吸器の感染症を予防する為にも室内を適切に加湿することを心掛けましょう。又、入浴中ナイロンタオルで身体を強く擦りすぎたり、病気や治療の影響で肌が乾燥する事もあります。原因が明らかで対処が可能なものは出来るだけ早めに対処していきましょう。

    ☆加齢による乾燥肌の対処法

    加齢による乾燥肌の対処法には保湿剤が有効的です。保湿剤には様々な種類がある為、症状にあうものを選ぶようにしましょう。

    ☆保湿剤の種類と使い方

    保湿剤は「モイスチャライザー」と「エモリエント」に分類する事が出来ます。

    ●モイスチャライザー

    尿素、ヘパリン類似物質、セラミド、水溶性コラーゲン、ヒアルロン酸、アミノ酸などの吸水性、吸湿性を持つ成分で配合され角質に直接水分を与える事で保湿を図るもの。

    ●エモリエント

    ワセリン、オリーブ油、椿油、スクワランなどの油性成分に配合し、その皮膜を角質表面を作る事によって水分の蒸散を抑えるもの。

    ・ワセリン:皮膚を油分でコーティングし、水分の蒸発を防ぐ作用がある保湿剤です。精製度に応じて淡い黄色〜白色をしています。ただワセリン自体には、水分を補ったり、肌に浸透したりするような効果はありません。その為、水分を補給した上で塗布する事が大切です。

    ・ヘパリン類似物質含有製剤:肝臓で生成される「ヘパリン」に似た構造を持ち高い保湿効果があります。軟膏やクリーム、乳液タイプ、泡タイプなど様々な形状がある保湿剤です。ただ、ヘパリンには血行促進や抗炎症作用に加え血が固まりにくくなる作用があります。類似物質もヘパリンと似たような性質がある為使用する際には事前に相談しましょう。

    ・尿素製剤:天然保湿因子(NM F)の1つである尿素を含んだ保湿剤です。尿素には潤いの保持や、肌のタンパク質を分解し、角質を柔らかくする作用があります。

    ・セラミド:細胞間脂質であるセラミドは、加齢に伴い減少します。セラミド入りの保湿剤の他、飲んで補給するタイプのセラミドもあります。

     

    最後に、乾燥した部分に痒みがない場合は、乾燥が進まないように保湿する事が大切です。痒みがある場合は他の病気との合併症の可能性もあります。悪化する前に治療を開始する為にも、先ずは皮膚科に相談しましょう。

     

    それでは又、次回のブログでお会いしましょう。