こんにちは。ケアプラス北宇和島・理学療法士の宮岡です。
最近は、コロナ禍におけるマスク着用、手洗い、そしてソーシャルディスタンスという新しい生活様式にもずいぶん慣れてきました。
外出の自粛から始まり、先の見えない不安はたくさんありますが、「明けない夜はない」と前を向くようにしています。
さて、今回は前向きに新しい運動に挑戦しているY様をご紹介します。
Y様は今年8月からデイサービス利用時にマッスルスーツを使った運動に取り組んでいます。
マッスルスーツとは、人工筋肉を利用した動作補助ウエアです。
重い荷物を運んだりするときに、腰の負担を軽減することができる仕組みになっています。
前傾した身体を
起こす動きを補助してくれます。
このマッスルスーツを使ってY様は足を出したり引いたりする運動をしています。
足を出すことで前傾した身体を再現します。
足を引くことで、身体を起こす動きを再現します。
そうです。
上半身を動かすのではなく、下半身を動かす逆の運動です。
また圧縮空気注入により補助力の調整ができるため、少し前傾位をとるY様にはあえて身体が起きる程度まで、まず空気を注入します。
身体をしっかり起こす感覚の再学習です。
補助力が強まる(身体を起こす力が強くなる)ということは、逆に言えば身体を曲げるときの力が必要ということで、足を振り出す際にも「抵抗」となります。
足を振り出す力も必要ということです。
1セットを右足振り出し10回と左足の振り出し10回とし、3セット行います。
装着から運動実施で5~10分程度で行える簡単な運動です。
運動前の姿勢と運動直後の姿勢を比べると
少し身体が起きています。
またY様は左の手足が弱いため、どうしても右側に重心が寄りがちですが、運動直後は身体が起きた分、重心位置も少し後ろになっています。
10歩の歩行距離を比べると、運動前4m27cm/10歩から
なんとなんと!!
運動直後は4m68cm/10歩まで伸びました。
左右の足をそれぞれに動かすことで、弱い左側の脚の筋肉たちも支える働きに目覚めたようです。
残念ながら今のところ効果の持続性はみられておらず、週2回のご利用時には少し前かがみの姿勢で来所されています。
繰り返し続けていくことで、少しでも良い姿勢で、そして楽に歩けるようになることを願い、しっかりサポートして参ります。