皆さまこんにちは。ケアプラス道後持田の看護師です。
梅雨時期はじめじめ高温多湿で快適に過ごしにくいですね。
身体が暑さに十分順応出来ていないこの時期から夏に向けて気をつけなければいけないのが熱中症です。
熱中症は気温や湿度が高い環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れて体温調節機能が上手く働かなくなってしまい、その為に身体に現れる症状の総称です。
最近、TVでも熱中症による救急搬送されたというニュースもよく目にします。
梅雨時期から夏にかけて時間や場所を選ばず子供から高齢者に限らず誰にでも起き得る熱中症。どんな病気か知って予防対策し、元気に夏を乗り切って行きましょう。
今回は熱中症についてお話します。
『高齢者が熱中症になりやすい原因』
1 高齢者は身体の水分量が成人に比べて少ない:身体の水分量が成人60%に対し、高齢者は50%と少なくこの10%の差が大きく水分が少し失われただけで熱中症になり易くなります。
2 暑さや喉の渇きを感じる機能が低下している:暑さや喉の渇きを感じる機能が低下する事で、暑さ調節が上手く行えず水分の補給も遅れ熱中症になりやすくなります。
『高齢者が熱中症発生しやすい場所は?』
高齢者は室内で過ごす事が多いので、住宅での熱中症発生が多く高齢者の場合、室内だから安全という訳ではなく暑さを感じにくい為、熱を逃す身体の反応やエアコンをつけるといった暑さ対策が遅くなり、熱中症になってしまいます。
『高齢者の熱中症予防対策』
☆室内を涼しくする
高齢者は暑さに気付きにくく暑くてもエアコンをつけるのを躊躇する高齢者が多い。
又、夏場は寝ている間に発症する「夜間熱中症」にも注意が必要です。寝る時の室温は25℃〜26℃、冬場は22℃〜23℃、湿度50〜60%が理想的と言われています。
☆こまめに水分を補給する。
水分補給を行うタイミングは「口が渇く前」が理想的。高齢者は喉が渇く機能が低下する他、コロナ禍でマスク着用が日常化。マスク内の湿度が高い為、喉の渇きに気付きにくいので意識的に水分補給を行いましょう。理想の回数は8回(◇起床時 ◇朝食時 ◇10時頃 ◇昼食時 ◇15時頃 ◇夕食時 ◇入浴前後 ◇就寝時)
その他、涼しい服装や帽子、日傘などで暑さを避けたり、適度な運動を行って身体を暑さに慣れさせたり生活リズムを整えて日頃から体調管理に努めましょう。
『熱中症の症状3段階と対処方法』
☆I度:応急処置で対応出来る軽症
本人の状態 意識・体温・皮膚:正常
⚪︎主な症状
1 熱失神「立ちくらみ」という状態で、脳への血流が瞬間的に不充分になる事で起こります。顔面蒼白、脈拍は速く弱くなり、呼吸回数も増加します。
2 熱痙攣 筋肉の「こむら返り」の事で突然ふくらはぎや足の裏の筋肉や腹筋などの一部が痙攣して痛みます。発汗に伴う塩分(ナトリウム等)の欠乏により起こります。
3 手足の痺れ、気分の不快
⚪︎対処方法 涼しく風通しの良い場所に移動し、安静にして身体を冷やす。水分と塩分の両方を補給する。スポーツドリンクや経口補水液がお勧めです。塩分補給には、塩分を含む飴、梅干しなどもお勧め。
☆II度:医療機関への搬送が必要な中等症
⚪︎本人の状態 意識正常・体温〜39℃・皮膚冷たい
⚪︎主な症状 熱疲労 頭痛・吐き気・嘔吐・下痢・倦怠感・虚脱感・失神・気分不良・判断力や集中力の低下などいくつかの症状が重なりあって出来る症状。身体がぐったりして力が入らなくなり、いつもの様子が違う程度のごく軽い意識障害を認める事もあります。
⚪︎対処方法 I度の対応を続ける。放置し誤った判断を行えば重症化する可能性もある為、必ず誰が側で見守り症状が改善しなければ医療機関で診察を受ける。
☆III度:入院して治療が必要な重症
⚪︎本人の状態 意識異常 体温高温 皮膚熱い
⚪︎主な症状 II度の症状継続。意識障害・痙攣・手足の運動障害・おかしな言動や行動・過呼吸・ショック状態など 呼びかけや刺激への反応がおかしい、身体にガクガクとひきつけがある(全身の痙攣)まっすぐに歩けない、走れない等。肝機能障害・腎機能異常・血液凝固障害 これらは医療機関での採血で判明します。高体温 身体に触ると熱いという感触がある。従来から熱射病や重度の日射病といわれていたものがこれに相当する。
⚪︎対処方法 I度、II度の対応を続けて直ぐに救急要請し医療機関へ搬送、その間も積極的に冷却必要。
※熱中症環境保健マニュアル参考
今年の夏もかなり暑くなりそうです。これから涼しくなる迄、こまめに水分をとり室内を快適な温度にしてこの夏を元気に過ごして行きましょう。
では又、次のブログでお会いしましょう。